vin-PRADの話をしよう。
vin-PRAD(ニコニコ大百科)
https://dic.nicovideo.jp/a/vin-prad
「お気に入りのアーティスト」なんてその時々で変わる。当たり前のように星の数ほどある音楽アーティストが世界狭しと出現する現代において「このバンドが好きだ」という熱量は如何ほどだろうか。
その熱量は結局のところその人にしか分からない。その人にすら正確には多分、測りきれない。しかし、その人だけの体験、タイミング、そういった偶然がいくつも重なり合って確かな「熱量」になることもある、僕はそう信じてる。
vin-PRADは僕にとってそういうバンドの一つだ。
ライブに足を運べたのも1回だけ、音源だって全部揃えられているわけじゃない。でも好きなんだ。この令和のサブスクの世において、それがメジャーになるほんの少し前に活動休止してしまった、僕の中の「サブスク配信待ってるぜ音楽アーティスト」リストの上位だ。
出会いは…2007年くらいだろうか。CDに囲まれながら仕事して、帰宅してはTARGET INSIGHTの同人活動を「このまま何十年も続けてやるぜー、はっはー」と息巻いていた20代。たしかfripSideの同人版ベストが出たころなんじゃないかと思う。fripSideのブックレットのクレジットを漁りながら”verocity”のクレジットが”fripSide+vin-PRAD”となっていて
「これは??」
と思って調べ始めたのだ。
そうしてvin-PRADとしてバンド活動を行っていること、メインは新井健史氏で活動していること、インターネットラジオ配信をやっていること、vin-PRADは「敏腕」らしいということが分かった。(たぶん何も分かってなかった)。どうやら(当時の)最新作は「健康音楽」がテーマらしい。さっそく音源を聴いた。
やられた。やられてしまった。
同人音楽を自分がやっていて、何か共感というか「俺だって」みたいな部分もあったと思う。だけど、そういうのを取っ払って、テーマ性と音楽が絶妙に嚙み合っていることが一番衝撃的だった。
「健康音楽」
このテーマがもし「破壊の衝動」とかでスラッシュメタルやスピードパンクだったら分かりやすいし「そうだよね」となる。勿論それも好きだ。
しかし「健康音楽」というテーマは。
多分すごく難しいんじゃないだろうか。「健康」って。人それぞれの感じ方もポジティブな言葉であるがゆえに捉え方の幅が広いように思う。
vin-PRADはその点、非常にマッチした音楽がそこにあった。「ああ、こういうの【健康】だよね」という全うでキャッチーでポップな曲だった。健康がそこにあった。「ビタミン・バランス」。もうアルバム名からして健康である。速攻でCDを通販で買った。そのまま他のCDも買った。
丁度そのころ次の楽曲のデモ版も公開されていて(Voがmidi打ち込みのもの)こういうデモが公開されていたのも共感する一つの要素だった。(その後”オートマティック・パラシュート”として公開された)
インターネットラジオ上ではフロントマン(と言っていいのだろうか)の新井健史氏が生の声を配信していた。”planet illusion / fripSide”の原曲となった曲も配信されていた。
ぶっとんでいた。ラップ部分がおかしいくらいぶっ飛んでいた。若さが爆発していた。
ライブに足を運ぶ機会、これが無かった…関西で活動されていたのを追いかける、という行動力は流石になかったのである(ここまで書いといてその程度かと言われると面目ないw)
…なんて折にmuzie(現BIG UP! )での対バン祭り(みゅ~じ~祭り@渋谷EGG MAN)で”BELOVED / GLAY”を歌うアラケン氏を観られた。嬉しかった。(観るべきところは多分そこではない)
このライブで演奏された”ジェラート”(イントロのピアノがいいんだ、また)と最後に演奏された”君に出会えてよかった”(幸せになれる)は今でも印象的で記憶に残っている。えがったぁぁぁ。
僕の車には、アルバム”ビタミン・バランス”と”ジェラート”が常備されていて、ドライビングミュージックの中の1枚として定着している。機会があったら聴いてみてください。損はない。ない。そもそも音楽に損なんてないのだ。ないのだ。
そして気になった方がいたらアラケン氏のBOOTHでCDは手に入るので是非聴いてみることをお勧めする。
https://shop-hemuri.booth.pm/
スタジオへむり
https://studiohemuri.com/
アラケン氏X(旧Twitter)
https://x.com/arakeso
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